日本漫画展は、作品発表、漫画家同士の情報交換の場であるだけでなく、作品を通してお客様とコミュニケーションをする場でもあります。人間同士の相性は、漫画を媒介にしても変わらないようで、どの作品にも必ず「これが好き」というお客様がいらっしゃって、私たちに継続する勇気を与えてくれています。この投票結果は、他の人と比べるというよりむしろ自分の歩みの検証ととらえたほうがより正確です。メッセージが伝わりにくかったり、絵に魅力がなかった場合は票は減少します。
今回ダントツぶっちぎりの一位だったのはタムラ良さんの『匿う（かくまう）』でした。隠れている牛の後姿がなんともかわいくて、宮崎県知事の顔はそっくり、手にしたおにぎりに両者にかようせつない愛情があふれています。ひとコマ漫画の極意は「省略」「誇張」「飛躍」ですが、さらに忘れてならないのは「共感」です。二位のクミタさんの『時期総裁選占い』も、民主党に代わってからもコロコロ変わる総裁の顔にうんざりした庶民の心情が、眠っているたこのパウル君のすがたに重なって好評でした。やっぱり『今』をすくった漫画は強いです。三位の小林さんの『コンカツ』は楽しさ満載の現代恋愛事情、山根さんの『高速仕分け』は課題作品の処理の“意外性”が大うけでした。
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1位　　タムラ良　課題「匿う（かくまう）」(51票)

2位　　クミタ・リュウ　自由「次期総裁占い」(26票)

3位　　小林宏　自由「コンカツ」（25票）

3位　　山根青鬼　課題「高速仕分け」（25票）

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