第50回日本漫画2019展「あなたの選ぶベスト３」結果発表

　ＡＩ人工知能というテーマは、ひとコマを作ろうとすると予想外に難しくて、みな苦戦していたようです。メディアを賑わせている用語ではありますが、まだ家庭の中に浸透している段階ではないので、具体的な実感がわかないのです。また論理、統計、確率からなる無謬のＡＩとひとコマ漫画のエッセンスである人間の愚かさ、哀しさをどう関連付けて漫画にするのか、 相当高度な頭脳の働きが求められました。
一位は西田淑子「ケータイを持った猿」これは毎年のように出るケータイものですが、同名の本のタイトルの秀逸さとソフトな色彩が女性的なディストピアを作っています。二位は田代まきさんの「ＡＩ（あい）棒」、トートバックに使いたいようなおしゃれな色と図柄、ＡＩ搭載ロボットとＡＩロボット犬aiboが相棒だというAI尽くしの漫画は辻下さん制作の今年の展覧会テーマロゴに通じる掛け遊びですね。三位は緑川さんの「向上心」、どなたかが“切ない”とご意見欄に書いていらっしゃいましたが、万能知能のはずのＡＩロボにもランクがあるのですね。ついわが身に重ね合わせて同情してしまう。情を呼び起こす力を持った漫画です。やはりタイトルがよかったですね。

一位　西田淑子　課題　「ケータイを持った猿」
（47票）

二位　田代まき　課題　「ＡＩ（あい）棒」
（45票）

三位 緑川ヒロユキ　課題　「向上心」 　
（43票）

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