2019出展者の選んだベスト3（投票総数23票）

　着眼点のユニークさと納得感で票を集めたのが木南さんの「自動エアバッグ」でした。中央線は飛び込み自殺が多くてしょっちゅう遅れますし、目の不自由な方の事故も痛ましいです。誰もが待ち望んでいるＡＩテクノロジーのさらに上を行く空想力が漫画家には必須です。クミタさんの作品、メキシコとの壁に商魂たくましい中国人気質で壮大な万里の長城をもってきた意外性が大いに受けました。絵の美しさ、構成の巧みさは皆の憧れです。三位は安倍さんのたくまざるユーモアというのでしょうか、ほっこりするとぼけた味が人の心を惹きつけています。いつものことですが、一般のお客様が選んだ作品とプロの目の選別は異なります。今回の好例がオダさんの2作品で、「口出し無用」は将棋のＡＩニュースに馴れた一般の方にとってわかりやすい作品で、いっぽう「日の出」は陽が昇らないと充電できないＡＩロボットにとっては思わず拝みたくなるほど神々しいものという、技術の粋を極めたＡＩとアナログ的な日の出信仰のかけ合わせが、さすがの笑いのプロの創作で、同僚の目はしっかり見抜いていました。同様にただいまヒトコマ修行中の成果をあらわした小河原さんの孤島マンガもご時世をとらえて、すとんと落ちた成功例で、同僚はその成長を見逃してはいません。

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